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TAKK! UMA! FUGE! designed by HIROKI NIWA (KAKUOZAN LARDER)

TAKK! UMA! FUGE! designed by HIROKI NIWA (KAKUOZAN LARDER)
TAKK! UMA! FUGE! designed by HIROKI NIWA (KAKUOZAN LARDER)

「東京にはいたるところにコンビニがあって、キャッシャーの脇でフライドチキンも売ってるじゃない?
あれが最高に美味しかったわよね。それにしてもあの時代。。。みんながどうかしていたのよ。」
ケタケタと特徴的な笑い声で自嘲気味に過去を語りながら、グイッとマルゲリータを飲み干し、
気だるそうなバーテンダーにおかわりを促した。
私は10杯目まではカウントしていたけど、それ以降は自身のアルコール許容量もあり、もう数えるのを止めた。
バーテンも「もうお手上げだよ」とでもいいたそうな表情でこちらに目配せをしている。
この10年、突如としてメディアから消えたクラウディア・コンドウは私の前で少し酔っているようだ。

メキシコ・ティファナを中心として活躍していたルチャドーラ(女子プロレスラー)、La Gula。
リング上の彼女とは別の、もう1つの顔が欧州を席巻した、常軌を逸した狂気のフードファイター、クラウディア・コンドウだ。
全盛期の胃の容量は10kgとも15kgとも言われ、各地で残した数々の逸話は今も色褪せる事なく語り継がれている。
代表的なエピソードを2つ紹介したい。
ドイツ・ハノーファーの大食い大会では30分で300gのソーセージを71本、ビールをパイントで19杯を完食。
直後のインタビューで「お金払うんでポテトとザウアークラウトも下さい」
と流暢なドイツ語で語り出したエピソードはあまりにも有名だ(動画サイトにて視聴可能)。
また、ノルウェーのトナカイステーキ大食い大会は地元のテレビ局で生中継され、
その食事マナーの悪さ(ナイフとフォークを使わず、箸をクワマンスタイルで操り、咀嚼せずに丸呑みする)に非難が集中、
以後同国内で大食い大会は実質放送禁止とされている。
放送から20年以上経った今でもそのインパクトは絶大で、現地で「大食い」と「丸呑み」は
「コンドウ」と呼ばれるのは勿論彼女に起因する。
コンドウの活躍が地元メキシコやアメリカではなく、欧州でのみに限られている理由には諸説ある。
一説には生まれつき極度の豆アレルギーのため主食が豆のメキシコ国内では勝負にならなかったと言われているし、
現役当時は健気にも家族に顔バレするを恐れていたためとも言われている。
当時のインタビューで本人はこれらの説を否定していたが、今回の取材時に改めて尋ねたがはぐらかすばかりで
真相はやはり闇の中のままだった。

たった1度だけ実現した、現役時代の彼女の来日はまさにフードファイターとしては全盛期だった2003年10月だった。
欧州での爆発的人気は遠く日本まで轟き、来日時の成田空港では警備員は2万人配備され、
「ベッカムやペヨンジュンは知ってるけど、コンドウってババア誰だよ」と訝しがる警備員に蔓延するダルさに反して、
その数をはるかに上回り押し寄せる群衆(通称コンドマニア)に自衛隊が出動、
装甲車に先導されながら新宿のホテルへ移動するのを地上波全局が生中継した。
数日後、彼女を招聘した日本のテレビ局主催の大食い番組に参加するも何故か一口も食事に手をつけず敗退。
試合後彼女は「日本食が食べたかったのよ、チャイニーズはもう十分」と語った
(予選のメニューは横浜中華街での1m揚げたて春巻き)。
後述するようになんとも残念なエピソードが多かった彼女の来日だが、帰国前に立ち寄った築地の回転寿司では
大勢のファンの目の前で1時間弱で280皿を完食しその実力の片鱗を覗かせた。
その際、寿司に醤油を直接かける食べ方が原因で店主とクラウディアの取り巻きがつかみ合いの喧嘩に発展。
それがなければ400皿は食べていただろうと後に語っている。

この来日時、話題になったのが彼女の取り巻きとして大挙してやってきた
通称クラウディア軍団(全員中年女性)についても触れておかねばならない。
既にフードファイターとして名を馳せていた彼女には身元の怪しい多くの取り巻きが常に数十名行動を共にしていた。
その殆どは彼女の利権を食い尽くす輩のような連中だった。
街に繰り出す際には常に大声で彼女の名前を連呼し、夜な夜なホストクラブに繰り出しては
シャンパンタワーをスクラップ&ビルド。
中には違法薬物を所持するものや拳銃を所持するものまでいたという。
滞在したホテルのスィートルームはその後全面改装を余儀なくするほどに破壊され、
招聘したテレビ局は数億にも及んだと言われる飲食代と改装費を負担した。

今回の取材で久々に現れたクラウディアは、現役時代のあの人を射抜くような、
第一回UFCに出場した時のホイスのような蛇レベルのヤバイ目つきは影を潜めていた。
どこまでも深く蒼いその瞳は、少しの侘しさを湛えているようでもあった。
しばしの沈黙の後、本題であるTシャツについて彼女に切り出した。
コンドウ来日時に彼女とそのスタッフが着用していたTシャツの完全復刻版、それについてだ。
現存するオリジナルTシャツがないため、当時の映像と元クラウディア軍団のメンバーや友人の証言を元に
タコマフジとコンドウを敬愛する名古屋の火薬庫・KAKUOUZAN LARDERが手を組み
4年の歳月をかけて忠実に再現したこのTシャツ。
TAKK!はノルウェー語で感謝、UMAは未確認動物、FUGE!はドイツ語で逃亡を意味し、
各国で残した逸話のインパクト、彼女への畏敬の念を伺わせる。
彼女の試合中、ファンが送る掛け声(ATTACK YOU'RE HUGE!)の当て字だと主張する
元クラウディア軍団のメンバーもいたが、それを否定するものもいた。
このあたりの真相もまた闇の中だ。海洋動物一のグルメとして知られる巨大ダコが陸に上がり
馬を捕食する様は彼女のその独特の食べ方からタコに例えられた彼女と、
その彼女に食い尽くされる欧州をなぞらえたものである。
このメタファーは間違いないと複数の証言が一致した。
あっという間に空になったグラスをカウンターに置くと
「そろそろ晩ご飯の準備をしなくちゃ。ソパ・デ・トルティージャを仕込まないと。うちの亭主の大好物なんだ」
そう言うと、また独特な笑い声をあげながらゆっくりと席を立った。
「で、このTシャツタコマフジからリリースしていいんですよね?ニューアコも協力してくれているんです。」
既に酩酊に近い状態ながら、かろうじて放った私の問いかけに、彼女はニッコリと笑ってウィンクした。

クラウディアは2019年現在62歳、地元ティファナでストリップバー「DANCE KARATE」の経営者として
7人目の夫と穏やかな余生を過ごしている。

*このストーリーはフィクションです。

NIWA HIROKI

ハンバーガー&アートショップ"KAKUOZAN LARDER”オーナー。
20歳の時に留学したNYでの原体験を元に2012年"KAKUOZAN LARDER”をスタート、
アーティスト/ショップとのコラボグッズ&オリジナルグッズを製作し全国各地から台湾までを駆け巡る
ネバーエンディングなPOPUP SHOPツアー開催中。
串カツSHOP"今夜はらだ八"、台湾料理/グッズ"タイワンシャオツーハウスハオツーハオツーハオツー"としても活動を行う。

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ご注意
*染めを含む加工を施しているため、実寸サイズには2〜3cmの誤差が生じる可能性があります。ご了承下さい。