THE GREENING REVIEW CAP designed by Motonobu Nakamura (EDIT -design&supply-)
7,150円(税650円)
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COTTON 100%
COWHIDE LEATHER (BELT)
MADE IN CHINA
1980年、植物微生物学者リー・コルビン(Lee Colvin)はウェールズの金物商・雑賀屋を営む家庭の長男として生まれる。生家には商品の鍋や釜を包むための古紙が山と積まれており、リーは古紙に書かれた絵や文字を貪り読んで成長した。学問に興味を持ったのも幼年期からで学校に入る前からすでに大抵の書物を音読していた。その頃から植物には慣れ親しみ、野山を駆け回って遊ぶ中で周りの大人から植物の名前や特徴を教わり、自然と知識が身についた。中学生になる頃にはフィジカル面での才能を開花させ喧嘩に明け暮れ、14歳の時にはすでに地元のギャングからスカウトをされるほどだった。両親の仕事のため母親の故郷である日本に初来日、10代後半から現在に至るまでの大半の時間を日本で過ごした。その頃から日本文学に傾倒、また自然環境保護(化学肥料の使用規制)や禅の思想にもある時期から没頭していった。リーのキャリアと切り離せないのが彼の素行だ。周りから注意されても飲酒癖と暴力は収まらず、次第に周囲から人は離れて行くも本人は全く無自覚だった。それどころか、自らの道徳観には自信を持つほどだった。
こんな逸話がある。ある時突然消防署を訪問し、「あなた達は本物のヒーローだ」と消防士たちに感謝の意を述べて、大量の観葉植物を振る舞った。また、ホームレス家庭のために頼まれてもいないのに家を4軒建設した。だが共通するのは真っ直ぐなようで屈折したし正義感だ。誰からも頼まれていない、善意の発露だったにも関わらず消防士にもホームレスにも「普通はまず礼を言うだろ?」と凄みを利かせたのは多くに目撃されている。
近年も飲酒の挙句居酒屋で店内にいた客全員に奢ろうとしたところ、その勧めを断った客の1人を殴打、また別の場では意気投合した男性と一緒に写真を撮ろうした態度に激昂、携帯電話を踏みつけ破壊してから店内の生簀に投げ捨てたとしてどちらも逮捕されるに至った。高すぎる道徳心と他者へのその強要、思いやりと威嚇。自身で制御できない内包するアンビバレントな魂は彷徨い続け、気づくと累々と重なる数々の蛮行。遂に彼は社会と距離を置き家族とごく限られた知人とともに離島にコミューンを作り移住することとなる。しかしそこはリーにとって安住の地となった。
趣味が高じて「THE GREENING REVIEW」という名の季刊誌を発刊したのもその頃だった。公共施設の植栽や自然公園に関するユニークで鋭い考察、海外の国立公園やトレイルの旅行手記、家庭菜園やガーデニング用具の批評等人気のコンテンツは多い。
このCAPは同誌のアートディレクターを務めるEDIT -design&supply-代表・ナカムラモトノブが手がけたロゴを刺繍したもの。土壌、大地、植生、花や太陽、それらの調和を表現したアートワーク。それはリーの流浪の人生の全てに意味があった、なすがまま、全てが今に至るために必要だったことを伝えているかのようだ。尚、THE GREENING REVIEWの評判とは裏腹にリー自信はコミューンから外出することは希だと言う。
*このストーリーはフィクションであり、園芸店PLAIN10周年を記念して作成したものです。
Motonobu Nakamura 中村もとのぶ
グラフィックデザイナー
1978年三重県生まれ。名古屋で日々デザイン。
自身で企画したアパレルを展開したり、アウトドアアクティビティに勤しんだりしているうちに、カントクと呼ばれるようになる。